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紀州備長炭は、ウバメガシと呼ばれる樫の樹木を使って作られています。近年、和歌山県内では、ウバメガシが少なくなりつつあり、紀州備長炭を焼く職人にとっては、頭の痛い問題です。
写真は、窯のそばにある樹齢300年は経っていると思われるウバメガシの巨木です。
ウバメガシ(姥目樫) 
ブナ科
学名
Quercus phillyraeoides
別名
イマメガシ,ウマメガシ
花期
和歌山県県木
ウバメガシはブナ科の中低木の常緑樹で、沿岸地域の急傾斜地などに生育しています。和歌山県内に住む人には、「バベ」と呼ばれ親しまれています。私は子供の頃、この木になる木の実、「ドングリ」を集めてよく遊びました。

葉は小形で、乾燥や大気汚染にも強いため、生け垣や街路樹などに広く植えられています。
国会議事堂の正面ゲートの両脇にも植えられていますよ。

炭焼き職人たちは、ウバメガシを大切に守り続けるため、原木を絶やさないように「択伐」という技術を生みだしました。備長炭は、他の炭に比べて厳しく等級分けがされていて、最高級のものは、直径2〜3cmぐらいの太さで、割れていない丸のままとされています。このような炭を焼こうとすると、体積が二分の一から三分の一くらいに減少することから、原木の太さは、直径5cm〜7cm前後のものが必要になります。といってもこのような理想的な木ばかり生えているわけではないので、太い木は伐り、半分に裂いて炭にし、反対に細い木は伐らず、出来るだけ残すようにしてきました。これを「択伐」と言います。

択伐は難しく言うと、「弱度択伐」「中庸度択伐」「強度択伐」「バイ残し」の4つに分けることができます。この基準は、ウバメガシ林の材積状況や位置、山間部、山頂などの林の場所や気候によって決められているのですが、最終的には炭焼き職人の長年の経験による判断に任されています。

●弱度択伐
比較的ウバメガシが成長しにくいところでの択伐施業で、海岸線や山の頂き近くの林などで行われます。ここで伐採されるウバメガシを焼くと高品質の備長炭ができますが、品質の良い原木を残すため、この条件下では、5cm以上の原木を2割程度の抜き伐りとし、およそ7〜8年の周期で伐採しています。

●中庸度の択伐
山奥、山の中腹などに育ったウバメガシ林で、北あるいは東向きで比較的原木の生育の良いところでは中庸度の択伐を行います。この場所では、直径4〜5cm以上の木を2〜3割で伐り、約8〜10年の周期で伐採を繰り返します。

●強度の択伐
ウバメガシやカシ類の木が林の7割以上を占める材積のもっとも多いところでは、強度の択伐が行われます。この場所では、3cm以上の原木を約3割から5割の割合で抜き伐りし、伐採周期も10〜12年としています。

●バイ残し
ウバメガシ林の材積が8割以上で、択伐の効果が期待できないところは「バイ残し」といって択伐の作業は行われません。



紀州炭工房では、私たち自ら山に入りウバメガシを伐採しています。炭を焼く段階で最初に行う重労働です。昔のように切り出した原木を人力で麓まで下ろしてくることは今でこそ無くなりましたが、それでもウバメガシの生木は他の樹木より重いので大変な作業です。
ワイヤーロープと滑車を使って切り出した原木を麓まで下ろします。
現在、伐採している山に生育しているウバメガシです。
ワイヤーロープを巻き上げるウインチ
運搬しやすいように原木を切断します。
切り出した原木は人力で積み込みます。
原木を切り出した後山の麓までワイヤーロープを張り、それに滑車とウインチを使って下ろしてきます。下ろした後トラックに載せて運搬しやすいように原木を切断します。ここまでは重機や道具を使って作業できるのですが、トラックに積み込むのは人力で行わなければなりません。これが重労働で、切り出したウバメガシは非常に重く2人がかりでも半日はかかります。
伐採して2〜3日しか経っていない原木しか使いません。(葉がまだ青いですね)
窯の前に積み下ろされたウバメガシの原木
窯の中には壁にそって原木を立てて入れます。
トラックで約2〜3時間近くかけて窯に運びます。ここで良質の備長炭をつくる上で重要なポイントは、切り出したウバメガシを乾燥させてはいけないことです。紀州炭工房では、切り出した原木をある一定の太さになるように太い物は割ったり長さを揃える作業を行い(木づくり作業)2〜3日中には窯の中に入れて焼き始めます。そうしないと原木が乾燥してしまい、出来上がる備長炭の品質が悪くなるからです。

紀州備長炭窯元:紀州炭工房 info_sumikobo@sumikobo.net

本社住所:和歌山市向8−15

TEL:073−457−2462

FAX:0724−91−2777

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